生まれ来るときは「健康であればそれでいい」ただそれだけを願うものです。
しかし子どもの成長につれ、親はいつの間にか自分の価値観を押し付けてしまうものです。
春夏秋冬、季節に合わせて咲く花、燦々と輝く太陽の光で育つ花、陰ながらに堅実に育つ花、花の育ち方にも千差万別、人の育ち方にも十人十色。
偏見や先入観で固まった眼で見ると、真実が見えなくなってしまいます。
子どもは親“が”育てるのではなく、親“を”育てるものだとしみじみ思う今日この頃です。
上の子が保育園の年中になり、そろそろ勉強を始める頃だと聞き、私は“ひらがな”の読み書きを教え始めました。
ところがこれが上手くいかない。
文字を押せば発音してくれる学習ボードと、表にひらがな1字、裏にその頭文字の絵が描かれた積み木を使って教えていますが“た行”から進みません。
「積み木を“あ”から順番に並べよう」といっても興味が出ないのかすぐに挫折して、ただの積み木なってしまいます。
大好きな怪獣フィギュアや恐竜の名前はすぐに覚えるのに、“ひらがな”が何故分からないのかが分からない。
「これが“し”。
よく見て、“し”っぽいやろ」こんな有様になってしまい、途方に暮れた私は「これが出来たらウルトラマンを買ってあげる」とご褒美をチラつかせてしまいました。
すると満面の笑みを浮かべ、必死に覚えようとしましたが、暫くすると耐えられなくなり「ウルトラマンほしい~」と泣き出してしまう始末。
べそをかく子とべそをかきそうな旦那を見ていた妻に「お父さん、それは辞めよ」と、たしなめられました。
ひらがな学習を諦めるわけにはいかなかったので、後日私は一般企業の営業部で活躍され、現在小学生の2人の子どもを持つ“パパ友”に相談すると、こんなことを教えていただきました。
まず、ウルトラマンのご褒美について。
「これが出来たら○○買ってあげる、○○してあげる」というような“報酬型”の教え方はあまりお勧めできないようです。
理由は勉強をする動機付けが報酬によるもので、“まなび”自体が持つ楽しさや喜びを見出す種を摘み取ってしまう可能性があるからだそうです。
さらには営業部ならではの、こんな持論も教えていただきました。
会社が効果的にお客様に価値を提供してお金をいただくために、つまりビジネスを行うために市場(マーケット)理解し、戦略を練ることは重要事項だそうです。
経済学で市場全般を考えることをマーケティングと呼びます。
例えば自分が野菜を育て売ろうとしても、誰にどんな野菜を売るのか、同じものを作っているライバルがいないのか考えなければいけません。
これをマーケティングの3Cと言い①市場、②商品、サービス、③ライバルの3つの枠から成ります。
そしてこの3つすべてが重なってしまう部分は“レッドオーシャン”と呼ばれており、激戦市場になるようです。
ジャガイモを売ろうとした場合、必要としている人(①)は沢山いるが、低価格で高品質な商品(②)は様々な場所で売られており(③)、ここで大きな利益を生み出すことは困難が予想されます。
ここでは薄利多売の過当競争に陥りやすく、1円でも下げなければいけない血で血を洗うような激しい価格競争が行われるのが特徴です。
よく牛丼チェーン店や飲料メーカーが挙げられます。
一方、③ライバルが重ならず、①市場と②商品、サービスだけが重なる部分は“ブルーオーシャン”と呼ばれる不戦市場で、イノベーションにより差別化を実現し未開拓な市場を切り開くことでローコスト、ハイリターンの高付加価値化が実現可能になります。
例えばユニクロのヒートテックやインテルのCPUが挙げられるそうです。
実はこの赤い海であるレッドオーシャンは日本の教育環境によく似ているといわれるそうです。
(次号に続く)
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