高野山は昨年、開創1200年記念の年となり190万人の来山者をお迎えし過去最大の人数を記録しました。しかしながら、その一方で高野山へ参拝を目的として来られた方が何万人いたのか、私が来山者を見る限り8割が観光客2割が信者ぐらいの割合に見えたのが正直なところです。
そして観光客のうち7割が日本人3割が外国人というところでしょう。そこで、高野山へ来られる方のマナーとモラルについてお話したいと思います。
普段何気なく使っているマナーやモラルという言葉、まずはマナーの意味から理解していきましょう。ふたつの言葉の違いを知るには、当然どちらの意味も博しておくべきでしょう。
マナーを国語辞書などで調べると、「態度」「礼儀」「礼儀作法」と出てきます。つまりはエチケット、という事です。また、マナーは「―のいい人」「テーブル―」などのように使用します。
モラルも調べると「道徳」「倫理」「人生・社会に対する精神的態度」となります。
極端にいうと、モラルというのは「善悪を判断する基準」という事になります。「ーがなってない」というように使用するのが一般的です。モラルは「その環境ごと」に変化するものを表す言葉です。
 最近良く聞くのが外国人はマナーが悪いと言う言葉ですが、日本人が海外のマナーを熟知していないのと同じように国が違うのだから日本のマナーを知らなくても当然かと思います。勿論一部の例外の方もおられますが、私は外国人のマナーが悪いとはさほど思いません。
私のお寺は高野山で宿坊をしておりますが、3月4月と非常に外国人が多く宿泊者も7~8割りが他国の方です。特に欧州の方が多く日本の文化、歴史に関心があり何か日本のマナーモラルを学んで帰ろうという謙虚さが見受けられます。
「外国人のマナー悪い」と言うのを例えれば土足で上がる、ご飯の食べ方が汚い、部屋の使い方が悪いなど様々な事があります。でもそれは日本人が思うだけで外国人にとっては初めて体験することかも知れません。土足で上がるのも靴を脱ぐ習慣が無いからでしょうし、ご飯の食べ方が汚いのも箸が上手く使えないからと理由は色々あるはずです。お勤めにも90%ぐらいの比率で参加されますし、お勤めが終わり本堂を退室する際にも、合掌をして出て行かれる方が多いというような意外なところもあります。
 では、日本人のマナーモラルはどうでしょか。近年、日本人のマナーモラルの低下が悩ましいところです。外国人がお寺の中に土足で上がってくるのは仕方ないと思いますが、日本人でも平気で上がってくる人が多くなって来ました。玄関には下駄箱が置いて在るのになぜ解らないのか、「ハァ~」思わずタメ息が出ます。日本人としてのモラルが薄れていると感じた瞬間でした。それに踏まえクレームを言って来るのも日本人ばかりです。先日もこの様な事がありました。
 その方は到着が遅れ、19時過ぎに高野山に到着なされました。バスの中から電話をかけてこられ道を尋ねられましたので、説明し電話を切りました。しかし30分たっても起しになりませでした。その日は雨が降っており視界が悪くお寺の場所が分からなかった様でした。再び電話がなりお迎えに行くと物凄い剣幕で「いったいどうなってるのよ、ここは!わざわざ遠くから来てあげてるのに!普通、迎えに来るのが当たり前でしょ!」怒鳴りつけて来られました。一先ず客室に御案内し、私はそこで正座をしてその方に謝罪致しましたが、ここはお寺である事を理解いて頂く必要があったので説明しようとすると、「説教はいいからさっさと出ていって!それと朝のお勤めにも出ないから!」この人には全く日本人としてのモラルが全く無いと深く感じた瞬間でした。
この話を聞いて賛否両論あるかと思いますが、皆様にも今一度、日本人としてのマナーモラルを考えて頂きたいと思います。
まず、感謝の心をもって日々精進することです。人に感謝し、食べ物に感謝し、御先祖へ感謝し、そして全てに感謝することにより、自然とマナーとモラルを取り戻す事が出来るのではないでしょうか。