はじめまして、生駒市にて陶のオブジェ作品を制作している西家智津子と申します。毎年、奈良町の『ボリクコーヒー』さんで個展をさせていただいています。年末には生駒市光明町にあるお花屋『雅廊』さんにて干支の販売をさせていただいており、円生院さんに購入いただいたことがきっかけでこのお話をいただきました。
 私が陶芸をはじめたのは、小さい頃の環境が影響をしていたのだと思います。祖母と母は手作りが上手で、よくお菓子やケーキ、編み物などを作ってくれました。いつも二人の様子を見ていたおかげで、進路選択の際も自然と“物作り”が出来る工芸学科を選びました。
 陶芸を専攻したのは、学校見学の時に先輩がとても楽しそうに制作をされていて、「絶対ここにおいでよ!」と言ってもらったのがきっかけでした。小学生の頃に母に連れて行ってもらった陶芸体験も大きかったのかもしれません。

 今まで陶芸を作り続けることが出来ているのは、恩師や周りの方に恵まれ、応援していただけたおかげです。学生の頃恩師からとても暖かく見守っていただけたことが今の作風にも繋がっています。「こうしたらどうなるんだろう?」と安易な気持ちで調合したものを「やってみたら?楽しみだね」と笑ってくれ・・・窯出ししてみると作品は大爆発寸前、窯を傷つける寸前でした。怒られるかと覚悟をしていましたが「なんでも試してみないとわからないからね」と。その後も、失敗と挑戦を繰り返せる機会をいただきました。その中の大失敗が契機となり、顔料を使った作品が私の特徴となりました。
 今は私も母親になり、私が昔体験させていただいたような、のびのびとした環境を与えてあげられればいいな、ものづくりを通してちょっと自信がもてるようになればいいな、そんな思いで子どもたちにお絵描きや工作、陶芸を教える教室を開いています。でも毎回笑顔で制作に打ち込む子どもを見てとても幸せな気持ちになり、逆に私が癒されています。
 陶芸作りの工程を大まかに分けると、土を練り、形を作って釉薬を塗り窯で焼く、とってもシンプルなのですが、ひとつひとつにとても奥深いものがあり作品を大きく左右させます。ご存知の通り日本全国各地にはその地方に根付いた特色のある陶芸があります。有名なものでは日本最古の陶芸である備前焼。これは釉薬を使わない技法です。石川県の金沢や加賀地方で作られている九谷焼は九谷五彩と呼ばれ、油絵を思わせる重圧な色彩が特徴となっています。タヌキの焼き物で全国的にも有名な信楽焼は、この地方特有の粘土質の土によって、高温で焼き上げることができ、固く強度に優れる大きな置物が作られるようになりました。私も信楽の土を使っています。
   土を練る、これはとても大切な工程です。堅さのムラ・気泡などがあると成形や仕上がりがうまくいきません。粘土の中の気泡を取り除き、均一になるように状態を整えます。
 成形の方法にはロクロを使用する“ろくろ挽き”や手だけで粘土の形を作っていく“手びねり”、板状の形をした粘土を使用して形作っていく“タタラ作り”などがあります。
釉薬(ゆうやく)は上薬(うわぐすり)とも言い、やきものの表面にかかっているガラスのようなものです。釉薬をかけることは色をつける装飾的な意味だけでなく、やきものの強度を保つという実用的な働きもあります。釉薬は、熱によって化学反応を起こして色を出すものです。熱や時間など様々な条件が複雑に関係するのでどんな色が出るか予測が難しいこともあり、そこが楽しいところでもあります。このような制作過程を経て、陶芸は完成します。
私の作品は“陶+ファブリック”のオブジェ、“シンプルだけど楽しい”をコンセプトに作った器などがあります。思わず手にとってしまいたくなるような…そばにおいていただいた時に気持ちが温まるような…そんなファンタジーな世界感をイメージして、丹精込めて心掛けています。これからも奥が深い陶芸をもっともっと知り、子ども達をはじめたくさんの方々が笑顔になれるような作品制作をしていきたいと思っています。

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