はじめまして、草次一弘と申します。この度は縁あって写真をテーマに投稿させていただきます。
私は職場での親しい先輩が亡くなり、娘さんから形見のカメラ(ニコンF4)を譲り受け、定年退職で仕事の一線を退いたのをきっかけにカメラを始めました。最初はただなんとなく風景を撮っていましたが、ある日写真家、種井清司さんと出会ったことで写真を作品として捉えることができるようになりました。私は写真を始めて歴史が浅く、風景1つにとっても色々撮るには残る年月が少なすぎる。そこで何か1つテーマを絞って撮ることが大切であると教えていただき、それからいろんな場所へ連れて行っていただきご指導を受けました。そして少しずつ私の作品も変化していきました。
私のテーマとは『影と光』であります。普通は『光と影』、白地のキャンバスに景色を捉えますが、影というベースに差す光を求めてシャッターを切る。これが実に楽しいのです。今ではずいぶんと少数派になったのですが、私はまだフィルムを使い撮影しています。フィルムは何枚でも取れるデジタル写真と比べ、1枚に込めるものが強くなります。1つのシーンで1度だけシャッターを切る。私はそうすることで、そこにある影と光を鮮明に切り取ることが出来るような気がします。時には同じ場所で何時間も光が差し込むのを待つこともあります。だから現像しネガを太陽に透かして見る瞬間はドキドキします。思い通りに撮れていないことも多い、しかしそうであるから写真が楽しくてしょうがありません。
私が好きな作品は、例えば耳にすれば青春の1シーンが甦る思い出の音楽と同じく、いつ見てもその時の景色が甦ります。「これは一体何を撮ってきたんだ?」と聞かれることがありますが、私はあれこれ説明せず、その方にお任せします。私と違った見方、感じ方をしていただいても構わない。見た方がフレームの外まで想像が膨らむような、そんな写真であればと思っています。