私は昭和53年に東大阪から奈良市西登美ヶ丘に越し
てきました。以前は会社の社宅にいましたが転勤も回を重ね、「もうそろそろ安住の地を」 と思い、 「住むなら奈良へ」 との思いで休みのたび土地を探しに妻と出かけていました。 なかなか条件の整ったものが見つからず苦労を重ねていたある日、富雄川沿いを上っていくと宅地分譲地の看板が目に入り、 「一寸見ていこう」 と寄ったのが運命の定めだったのか、はたまた何か引かれるものがあったのか、土地を一見し即購入しました。
52年のことでしたが、一年過ぎに人生初の新居建築、興奮したこと今でもよく覚えています。
53年の5月に入居してから1年もたたずに名古屋転勤、その後東京転勤、富山転勤と家族を奈良へ残し移動の日々、今度こそこの地へという一念で家をリフォームせず惜別し新居を建てなおししました。それが平成10年のこと。不思議なことに半年後大阪転勤になりました。
53年にここ奈良に住みだして以来、朝の散歩が日課となり、家を中心に東西南北四方八方歩きまわりました。そしてたどり着いたコースが長弓寺をまわる道だったのです。単身赴任中は休暇で帰省している時だけの散歩でしたので月に4,5回ぐらいでした。当初長弓寺に来るようになり 「国宝のお堂がこんなに近所にあるんだな」 ぐらいにしか思っていませんでしたが、ある日のこと、私と妻と28年前他界した母と散歩がてらお寺に行ったとき本堂の前で老僧がおはなしをしておられました。内容は忘れましたが良いお話だったと記憶しています。その帰りに各塔頭に寄り円生院で奥のお不動さんを拝見していると、 「どうぞ中に入っておまいりください」 とおっしゃり、言われるがまま中に入り焼香台の前で手を会わせていると、 「もっと近くでおまいりください」 との声をかけて下さり、本当に目の前で拝ませていただきました。その時大げさではなく体が震えました。今まで味わったことのない体験でした。もともと寺社建築が好きで彼方此方の寺院を見て回りました。勿論ほとけ様、仏像もです。とくに不動明王が好きで色々と見てきましたが円生院のお不動さんは私の心を引きつけ、そして心の支えとなって下さいました。
それがきっかけで、言葉はおかしいかもしれませんがハマりました。
それからというもの長弓寺へ行くのが楽しく、帰省したら必ず訪れました。奈良へ戻ってからはほぼ毎朝おまいり兼散歩に長弓寺へ伺っており、かれこれ3000回は訪れています。 5年前ほどから円生院以外にも本堂、各塔頭、神社と巡っています。また円生院の住職の護摩供養は素晴らしいものです。一度28日にでもおまいりください。ハマりますよ。